木鶏(もっけい)とは

木鶏とは、「真に強き者は、敵に対して少しも動じない」事の例えとして使われている比喩表現の一つです
心身共に充実しているが故に、一見すると木鶏の如くに静かなる状態になっている様。
昨日の続きでもありますが、中国春秋時代の哲学者である老子はこの様な事を述べています。
「深く蔵して虚の如く、容貌は愚の如し」
要約すると、「外に鋒鋩して顕かなのは人間として練り切れていない証拠」ということ。
ガンを飛ばして「なんだてめぇやんのかコラ!あん??」なんてやっている内はまだまだだよって事ですね(笑)
名横綱「双葉山定次」の存在

35代目の横綱に双葉山定次という名横綱がいた事はご存知でしょうか?
「不世出の横綱」「相撲の神様」とも称されており、
実際にこの目で見た事は無いのですがその活躍ぶりはイメージする事が出来ます
その双葉山が木鶏の話を耳にする機会があり、双葉山は木鶏の話に感銘を受け、
木鶏の絵を自宅に飾り、毎日その絵を見て「自分も木鶏の様な何事にも動じない強き力士になれる様に」と木鶏になる為の練習を始めたのだそう
そして、名横綱で「相撲の神様」とまで呼ばれていた双葉山は69連勝という記録を作られました。
私が実際に見た事がありその強さを知っている横綱としては朝青龍や白鵬ですが、
白鵬の連勝記録が63連勝ですから、双葉山の69連勝という記録は本当に偉大ですね
事実として、双葉山が残したこの69連勝という記録は未だに塗り替えられる事なく、
不動の一位として君臨し続けています
イマダモクケイタリエズ

相撲の神様とまで称された双葉山でしたが、70戦目にして安藝ノ海という力士に敗れることになります
そしてその夜に一言だけ、
「イマダモクケイタリエズ」
と電報を送ったという逸話が語り継がれています。
冒頭で書きました通り木鶏とは、真に強き者は敵に対して全く動ずる事無く「静」でいる様のこと
その木鶏に足りえずとは、
『自分はまだ木鶏の域にまで到達する事が出来ていなかった』
という、双葉山なりの比喩表現だったのでしょう。
まとめ

「なんだてめぇオラ!やんのかこゴルァ!」なんて言っている内は人間としてまだまだ練り切れていない証拠
真の強さとは、静寂で何事にも全く動じない正に「木鶏」の様な状態の事を言うのでしょう。
私も勿論まだまだ木鶏の域に達する事は出来ておりませんから双葉山の様に、
「イマダモクケイタリエズ」と心に戒め、木鶏の様な人間に成りたいものです