日本経済

キムリアは救世主と成り得るのだろうか

普段からテレビをご覧になられる方は既にご存知でしょうが、

白血病治療薬のキムリアが医療適応になりました。

 

 

そもそも白血病とは?

白血病は血液のがんです。血液細胞には赤血球、血小板、白血球がありますが、これらの血液細胞が骨髄でつくられる過程で、がんになります。がん化した細胞(白血病細胞)は、骨髄内で増殖し、骨髄を占拠してしまいます。そのため、正常な血液細胞が減少し、貧血、免疫系のはたらきの低下、出血傾向、脾臓(血液を貯蔵しておく臓器)の肥大などの症状があらわれます。
日本では、1年間に人口10万人あたり、男性で11.4人、女性で7.9人の割合で白血病と診断されています(2011年のデータ)。
白血病は、がん化した細胞のタイプから「骨髄性」と「リンパ性」に分けられ、さらに病気の進行パターンや症状から「急性」と「慢性」に分けられます。

白血病ってどんな病気?

 

 

とまあ、白血病は血液の癌なのですが、

最近では、18種目もの日本記録を保持する女性競泳選手の池江璃花子さんが白血病である事を公表し話題になった事も記憶に新しいのではないでしょうか

 

白血病で苦しむ人が、今回キムリアが医療適応になった事で、

治療しやすくなった事自体は大変喜ばしい事だと思います

 

 

ただ、その反面で我々も考えなければいけない事がある事にお気づきでしょうか?

 

 

まず、費用の問題です

 

新薬の開発というのは莫大な費用を要する為、

どうしても患者が手出しする費用が高くなってしまう事はあなたもご存知だと思います

 

前回、オプシーボの時も話題になった事を覚えている人も多いのではないでしょうか

 

現状、キムリアを使用する為に必要な費用は3349万円。

 

高額医療制度が適応になった事で、

年収370〜770万円の方で自己負担額は約40万円程になります

 

 

40万円でも十分に高いですが、

 

『3349万円を出せなければ治療は出来ない』

 

と言われるよりは遥かにリーズナブルになり、患者も治療に専念しやすくなったと思います。

 

 

ただ、3349万円から

”驚異の出血大サービスで98.8%引き”

になり40万円まで値下げされた訳ではなく、

 

高額医療制度を適応して ”個人負担” が40万円で良いですよ。という事

 

つまり、残りの3309万円は誰かが払うのです

 

 

 

その誰かとは、私であり、あなたです。

 

どういう事かというと、残りの3309万円は公的保険の中から支払われます。

 

 

昨今では、高額な薬を公的医療の枠組みと捉える傾向が強まって来ており、

今後、国の医療費負担が増えて来ると予想出来ます

 

この様な状況になった場合、”年間数兆円規模の財源” が必要となります

 

 

麻生大臣がニュースで仰っていた通り、年金にすら首が回らない状況にある今の日本で、

お国様はこの年間数兆円という財源をどの様に確保するつもりなのでしょうか?

 

 

医療費の個人負担が3割で済んでいる時代は、

そろそろ終焉を迎え様としているのかもしれません。

 

 

3年、5年と同じ会社に勤めても給料が中々昇給しない今の時代に、

支出が更に増えたらあなたの生活は大丈夫でしょうか…?

 

どうか、あなたが幸せになれる選択をされる事を願っています。